廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
(シャキア…今日からこの部屋を使わせていただきますね。)



入浴を済ませ、私は部屋に戻りました。
クローゼットの中にはシャキアのものと思われる服がかかっていました。
私の世界のものとはまるで違うものです。



生まれてからずっとこの世界で育ったシャキア…
まるで違う私の世界に突然呼び出され、シャキアはどれほど心細かったことでしょう。



(あ……)



その時、私は不意に思い出したのです。
別れ際にシャキアがくれた『お守り』のことを…
大切なものなのに、今まですっかりそのことを忘れていました。



「サンドラ!」

私はサンドラの部屋に行き、お守りのことを訊ねました。



「ご安心下さい。それなら私がお預かりしておりました。」

サンドラは小さな布の袋を差し出しました。



「サンドラ…ありがとう。」



部屋に戻り、袋の中身を確認しました。



(可愛い……)



袋から出て来たのは、小さなピンクの石の付いたネックレスでした。
私はそれを首にかけました。



(シャキア…忘れていてごめんなさい。)



ネックレスを首にかけると、なんだかとても落ち着きました。
シャキアの想いがこもっているせいでしょうか?



(シャキア……)



私は遥か彼方にいる妹に、想いを馳せました。
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