廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする




昨夜は遅くまで小林さんとLINEのやりとりをしました。
あんなに何度もやりとりをしたのは初めてで…でも、眠気を忘れる程、とても楽しかったのです。
たった一晩で、小林さんのことをたくさん知り、そして、とても身近に感じるようになりました。



「あら…何か良い事でもあったの?」

「え?な、なぜですか?」

「だって……」

次の日の朝食の席で…母は、私を見て微笑みました。



「とても晴れやかな顔をしていたわ。」

サンドラまでもがそんなことを言いました。



「それは……」

私は迷いました。
昨夜の小林さんのことを話すべきかどうかを。
そもそも隠す必要なんてありません。
率直に言えば良いんです。
カードの裏にあった文字からLINEを探しあて、お花のことが気になっていたから連絡を取ってみたのだ、と。
なのに、なぜ、言えないのでしょう?



(あ……)



私はその時、不意に気付きました。
そうだ、これはシャキアのためなのだ、と。
両親は、シャキアの交友関係についてあまり知りません。
ですから、小林さんとのことも知らないかもしれません。
もしかしたら、シャキアはあえて秘密にしていたかもしれません。
だったら、私がそれを暴露するのは良くないことです。



(そうだわ、しばらくは小林さんのことは言わない方が良い…)
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