廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
*
「あ、お醤油がないわ。」
「では、私が買ってきます。」
「大丈夫なの?」
「ええ…ついでに本を買ってきます。」
最近は、たまにひとりで出掛けるようになりました。
お医者様からも、出来るだけ歩いた方が良いと言われていたので、近所の公園まで散歩に出たり、コンビニやスーパーに行く程度なのですが、私は今までひとりで行動をする事などありませんでしたから、とても新鮮な気持ちです。
公園のベンチに腰掛け、遊ぶ子供たちを見ていたり、本屋さんで気になる本を探したり、先日は初めてひとりでカフェに入り、お茶を飲みました。
今まで出来なかったことが出来るようになるのは、本当に嬉しいことです。
自信のようなものも付いてきました。
体調もずいぶん良くなりました。
先日は、近いうちにみんなで旅行に行こうと父が言い出しました。
私はまだこのあたりしか知りませんから、旅行と聞くだけで胸が弾みます。
*
『内山さん、ちょっとお願いがあるんだけど…』
ある日、小林さんが突然そんなことを送って来ました。
『なんですか?
私に出来ることなら…』
『電話で話したいんだ。どうかな?』
(……え?)
小林さんとのやりとりにはもうすっかり慣れて、緊張することもありませんが、電話となると話は別です。
安倍さんとはすでに何度か電話で話しましたが、相手が小林さんとなると、安倍さん以上に緊張します。
「あ、お醤油がないわ。」
「では、私が買ってきます。」
「大丈夫なの?」
「ええ…ついでに本を買ってきます。」
最近は、たまにひとりで出掛けるようになりました。
お医者様からも、出来るだけ歩いた方が良いと言われていたので、近所の公園まで散歩に出たり、コンビニやスーパーに行く程度なのですが、私は今までひとりで行動をする事などありませんでしたから、とても新鮮な気持ちです。
公園のベンチに腰掛け、遊ぶ子供たちを見ていたり、本屋さんで気になる本を探したり、先日は初めてひとりでカフェに入り、お茶を飲みました。
今まで出来なかったことが出来るようになるのは、本当に嬉しいことです。
自信のようなものも付いてきました。
体調もずいぶん良くなりました。
先日は、近いうちにみんなで旅行に行こうと父が言い出しました。
私はまだこのあたりしか知りませんから、旅行と聞くだけで胸が弾みます。
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『内山さん、ちょっとお願いがあるんだけど…』
ある日、小林さんが突然そんなことを送って来ました。
『なんですか?
私に出来ることなら…』
『電話で話したいんだ。どうかな?』
(……え?)
小林さんとのやりとりにはもうすっかり慣れて、緊張することもありませんが、電話となると話は別です。
安倍さんとはすでに何度か電話で話しましたが、相手が小林さんとなると、安倍さん以上に緊張します。