廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
(どうしよう…?)



安倍さんと話をする時も少し緊張しました。
私がシャキアではないことがバレるのではないかと思ったからです。
わからないことは、正直にわからないと言って謝りました。
安倍さんはそれを副作用のせいだと思ってくれました。
最初は口調や雰囲気も変わったと言われ、ひやひやしましたが、何度か話すと不思議と違和感もなくなったようです。



ですが、小林さんも同じだとは限りません。
まさか偽者だとは思われないでしょうが、シャキアと違いすぎて、もしかしたら嫌われてしまうかもしれません。
せっかく小林さんと仲良くなれたのに、嫌われてLINEが出来なくなったら…それはとても悲しいことです。



そう思うのに、小林さんと話してみたいという気持ちもありました。
小林さんはどんな声で、どんな話し方をするのか、とても気になったのです。



それに、電話で話すのを拒んだら、気を悪くされるかもしれません。
短い時間の間にあれこれと悩み、心が揺れました。
そして、結局……私は『了解です。』と返信しました。
最後には、小林さんと話してみたい、という想いが勝ったのです。
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