廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
「わっ!」

LINEの着信音に驚いて声をあげてしまいました。



『内山さん、さっきはどうもありがとう!
久しぶりに話が出来て本当に嬉しかったです。』

小林さんからのLINEでした。
思わず、顔が綻びます。



『こちらこそ、どうもありがとうございました。
私も嬉しかったです。』



(あ、そうだ!)



返信してから、私は『ホワイトデー』を調べました。
それはバレンタインデーにチョコレートをもらった男性がお返しをする日らしいです。
この日にシャキアとしゃべったのが最後ということは、シャキアが私の世界に呼び出されたのは、こちらでのホワイトデーだったということになります。



(そういえば…)



小林さんの話をしてくれた時、シャキアは小林さんからプレゼントをもらったと言っていました。
ということは、シャキアが先に小林さんにチョコレートをあげて、そのお返しをもらったということでしょうか?



(……やっぱり。)



バレンタインデーを検索してみると、女性が、好きな男性にチョコレートを渡して愛の告白をする日だと書いてありました。



シャキアは小林さんは運命の人ではなかったと言ってましたが、それは本心だったのでしょうか?
私に気を遣ってそんなことを言ったのではないのでしょうか?
今更そんなことを考えてもどうにもならないことはわかっていますが、それでも、私は気になりました。
< 26 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop