廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
その晩は、私の体調を気遣い、少し話しただけで解散となりました。
おそらく、サンドラと二人は遅くまで話し合っていたのではないでしょうか？
私は疲れていたのか、神経は高ぶっていたはずですが、すぐに眠りに就いていました。



「おはようございます。シャルア様。」



次の朝、目が覚めると私は見たこともないおかしな服を着せられました。
まるで、男性のような身なりでした。
おそらく、シャキアの着ていたものでしょう。
サンドラや二人もおかしな服装をしていました。
そして、馬がいないのに動く乗り物に乗せられたのです。
動いていても、馬車のようには揺れません。
車窓から見える風景も、信じられないようなものばかりでした。
天を突くような高い建物が建ち並び、それらを見ていると、私は異界に来たのだと、強く実感しました。
しばらくして着いた先は、やはりとても高い建物でした。



「シャルア様、今朝お話した通り、あなた様は今日から内山紗季です。
そして、私達はあなたの両親。」

「はい、わかっております。」



男性は私の父・内山正樹、女性は母・陽子。
そして、サンドラは伯母の小夜子ということになっています。
車輪の付いた椅子に座らされ、私は三人に付き添われながら、診察と検査を受けました。
病院の中には、やはり今までに見たことも無いものばかりがあり、驚きのあまり、声をあげてしまいそうになりながら、なんとかそれを堪えました。
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