廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
数日後、私の体が毒に冒されているということが伝えられました。 しかし、そのことはこちらではたいそうな問題になるらしいので、サンドラが医師に魔法をかけ、うまく処理しました。



相変わらず、不安ではありましたが、そのうちに私も病院の暮らしというものに慣れて来ました。
毎日、三人がお見舞いにも来てくれますし、寂しいこともありません。
私は、毎日『テレビ』というものを見て、異界のことを覚えていきました。
文字は読めませんが、言葉がわかるのは本当に助かりました。



とにかく、日々、驚くことばかりです。
リゴレットとは比べ物にならない程、この異界の文明は発達しています。
この世界の治療を受けていたら、もしかしたら、本当に私の体は良くなるかもしれない…
ふと、そんなことを感じたのは、入院して二週間程が経った頃でした。
明らかに体調が良くなって来たのです。
それが、気のせいではないと思ったのは、さらに一週間程が経った頃でした。
私はまた歩けるようになったのです。
まだほんの少しですが、寝たきりだった私が、歩けるようになったのですから。
まるで夢のようです。



(シャキア、ありがとう。
私は本当に元気になれそうです。)
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