廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする
私は、早速、そのことを両親に話しました。



「サンドラさんのおかげでうまくいきましたね。
今後ももし似たようなことがあれば、その理由で誤魔化しましょう。」

「……そうですね。」



両親は、シャキアの何人かの友人のことは知ってましたが、さすがに職場の知り合いについては知りませんでした。
もちろん、三辺さんのことも。
ですから、そうするしかありません。



紗季と一番仲が良かったのは、高校の時からの親友、安倍まどかさんだということでした。



シャキアは、こちらでは体調を崩し、地方の親戚の家の近くの病院に入院したということになっていました。
安倍まどかさんや、職場の知り合いから電話がかかってきた時もそう言って、詳しいことははぐらかしたようです。



「今でも、毎月、お花が届くんですよ。」

「どなたからですか?」

「それが…わからないのです。」

「わからない?」

「はい、SKというイニシャルしかありませんから。」

「SK…」

もちろん、私にもそれが誰なのかわかりません。
ですが、毎月お花を送ってくれるということは、きっと、シャキアと仲の良い人なのでしょう。



「昨日持ってきた花…これも送られてきたものなんですよ。」

「まぁ…そうだったんですか。」

花瓶に活けられた花は、控えめな色合いでとても落ち着く花でした。
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