精霊の愛し子
 目を覚まし一番最初に出会ったのがサクヤだった。

 色んな精霊の力をかりてサクヤはエリミアを育てた。

 まさに家族であり愛しい子でもある。

 家に戻ったエリミアはベッドに潜るなり眠った。

 サクヤはエリミアが眠りにつくと本来の姿に戻った。

 「人間は愚かよ。…私達の愛し子を傷つけてただで済むと思っているのかしら」

 モルティナがエリミアに依存しているのには気が付いていた精霊たち。

 既に精霊たちの怒りは限界を超えていた。

 しかし、傷つけることはエリミア自身が望んでおらずサクヤたちは我慢するのみだ。

 サクヤはエリミアの傍らに座って頭を優しく撫でる。

 『失礼する』

 窓からミラが入って来た。

 『女は帰ったようだ』

 ミラがそう言うとサクヤは目を閉じて森の中にいないことを確認した。

 『王女が城に戻っていくのを視認した。精霊使いにも報せは出した。後は頼んだぜ、木の精霊』

 サクヤはふふ、と笑いゆっくりと立ち上がる。

 「任せて」

 そう言って森全体に結界を展開していく。

 「私達の平穏を乱すものは誰であろうと許さない」

 サクヤの言葉にフラウもミラも頷く。

 そうでしょう…精霊の愛し子――。
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