この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「いいじゃん。俺のせいにすれば」
「え?」
「俺に脅されて仕方なくとかっていえばいいだろ」
二階堂くんは、心の中を読み取るのが上手だ。
ううん、それともわたしがわかりやすいのかな?
顔にでてしまっているのかもしれない。
不安の気持ちと嫌な気持ちと葛藤と、いろんな感情が。
普段は仮面をつけていて誰にもばれることのない負の感情が。
「だめだよそれは。二階堂くんに悪いし」
「俺はいいよ。どうせ今だって同じなんだし」
そんな、悲しそうな顔で笑わないで。
なにもかも諦めたような、誰のことも信じていないような、そんな顔。