この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
藤宮麗華(ふじのみやれいか)
この春、高校生になったばかり。
そのはずなのに、告白された数はすでに指で数えきれないくらい。
わたしが歩けば、みんな振り向く。
胸くらいまである黒髪に、何もしなくても上を向くまつげ、ぱっちり二重に高い鼻。
そんな容姿から昔からハーフ?と聞かれることが多かった。
でも、まあかわいいことに損はないからよかったと思う。
「麗華ちゃん!おはよう!」
「おはよう!」
教室に入ると、すぐさま女の子たちが群がる。
「おはよう」
名前は、あんまり把握してない。
でもこの子たちにとってそれはさほど大きな問題ではないんだろう。
結局はこの子たちも上辺。