この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


でも、


―――「そっちのほうがいいよ。無理して笑ってるより、全然いい」


―――「お前が変わろうとしなければなにもかわらない。いつまでも仮面をつけて下手な笑いをしていたければ、ずっとそうしてろ」


彼がいってくれた言葉が、とても嬉しかったんだ。

本当のわたしを、彼になら見せられる。

あんな窮屈な学校生活の中でも、彼と一緒にいたら息がしやすくなるんじゃないかって。




「麗華、はいるぞ」

突然聞こえた父さんの声に、さっと仮面をつけた。

「どうぞ」

大丈夫。

さっきまでの気持ちは封印した。

うまく、笑ってるはず。
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