この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


婚約者って。

わたしまだ高校生なったばかりなのに?

高校卒業して親が決めた相手と結婚することは仕方ないってわかってた。

でも、もう決まってしまってるなんて。

結局わたしには、自由なんてないんだ。


藤宮のご令嬢ということからは抜け出せない。

お嬢様学校にいってようがいっていなかろうが、関係なかったんだ。




布団に顔をうずめて泣いた。

聞えないように。

こんな姿、この家の誰にもみせてはいけないから。


ただ、今日だけは許して。

明日からまたちゃんとするから。

ちゃんと、お嬢様として生きるから。
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