この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


「あの人は、同じ苦労をさせたくないのよ。でもそれでももちろんあなたのことも考えてる。だから、とても優秀で、誠実で、優しくて、それでいてまだ若くて、お父さんはそんな人を必死で探したの」


「...それが、明後日に会う人?」


「そうよ。母さんも写真はみたけれど、本当に優しそうな人よ。あなたが高校卒業したとき、彼は27歳。十分まだ若いわ。麗華にとったら、もうおじさんだって思うかもしれないけど」


27歳。そこでここに婿養子としてきたとして、父さんが引退したあとで社長になるとしても35歳までにはなるだろう。

たしかに、若いのかもしれない。


< 39 / 86 >

この作品をシェア

pagetop