この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。


「お父さんはなにもあなたのことを嫌でいってるんじゃないの。それだけは、わかってあげてほしい」

「...母さんは、どうやって説得したの?」

「母さんというより、お父さんのほうよ。毎日のように家にきては追い出されての繰り返しでね。勉強が苦手だったのに、誠意を示すために必死で勉強して、経営も学んでね。最後の最後はおじいちゃんが折れたのよ。そこまでいうならってね」

「そうなんだ」


すごい。すごいことだと思う。

わたしだって一応お嬢様だし、この会社の経営のことも少しはわかってるつもり。

だからこそ、お婿選びは大事なもののひとつだってこともちゃんと理解してる。

だからわたしもとっくに諦めていたのに。

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