この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「麗華さんが、幸せであることを願ってます」
「はい。竜司さんも、幸せになってください」
わたしがいう言葉じゃないかもしれないけど。
竜司さんにはもっとふさわしい女性がいるはず。
もっと大人で、綺麗で、彼を支えてくれる素晴らしい女性が。
家に着き玄関をあけると、父さんの姿。
「麗華!さっき桜庭さんから連絡があったぞ。どういうことだ。なにかやらかしたか?」
もう竜司さん連絡したんだ。
「父さん、わたしまだ子供だよ」
『大人』なんだから。
そういわれたけれど、わたしはまだ子供。
社会のことなんて何も知らない高校1年生。
「竜司さんが、大人だっただけ」
その言葉に首をかしげた父さんだったけど、きっと父さんならその意味がわかるはず。