この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
思えばお嬢様学校なんて絶対やだ!と反抗したときから、父さんは薄々気づいていたのかもしれない。
わたしが重荷に思っていることを。
いずれこういう未来がくることを。
父さんなんて大嫌いだと思ってた。
小さいころから習い事をさせられ、パーティーに連れていかれ、言葉遣いや立ち振る舞いを指導され。
藤宮を背負ってるんだから。
その言葉をいつも浴びせられて。
でも、それも全部わたしのため。
いずれ自分がそういう立場になったときに困らないため。
恥をかかないため。