この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「お前、忘れたの?俺の家も金持ちなわけ。で、お前の婚約者俺になったから」
「はあああ???」
いやいや、聞いてない!
父さんからなにも聞いてないよわたし。
今日だって普通にいってらっしゃいって笑顔で見送られたよ?
「大変だったんだから。親に頼み込んでさ。そのためにわざわざ黒髪にまでしちまったよ。結局俺は、普通の高校生にはなれねえみたいだ。お前と一緒でな。俺はお坊ちゃんで、お前はお嬢様」
「なんの、ために...」
「お前がどうしても俺と付き合いたいみたいだったからさ。仕方なく」
「くー!!むかつく!!」
なにこいつ?むかつくんだけど!!
全然大嫌いなんだけど!!!
「いっただろ?俺のこと好きにさせてやるって」
そういうと、わたしの手は引っ張られ二階堂くんの腕の中。