この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「ねえ、でもいいの?」
「なにが?」
「だって、社長なんて嫌っていってたじゃない。金持ちなんて嫌だって」
「俺、そんなこといったっけ?」
「...え、うん」
たしか、いってた記憶にあるけど...
「『権力をもった大人たちはなにをするかわからない。簡単に人を裏切って、捨てる。それをなんとも思わない、汚れた人間たち』、俺はそういっただけだ」
「でも、それって、そういうことなんじゃないの??」
「俺はそういう人間にはなりたくない。それはあってる。でも、別に社長が嫌とか金持ちが嫌だったわけじゃねえよ」
「うう。難しい」