この広い世界で君と出会い、恋に落ちて。
「口ださないでもらえる?」
なるべく怒らないように、冷静に、いつものわたしで。
「いいたいことあるなら、さっきみたいに大声で叫んでみろよ。お前、今ひどい顔してんぞ」
この学校で、わたしに対してものをいう人なんていなかった。
だから、いつもにこやかに明るく過ごせたのに。
もう、無理だ。
「うるさい!うるさい!うるさい!」
感情が、爆発する。
眠っていた自分の心が、目を覚ます。
「あんたなんかに、いわれたくない!」
「はは、その調子その調子」
「わかったようなこといわないでよ!わたしの気持ちなんて...気持ちなんて...」
「気持ちなんて?」
「誰にもわからない!」
そこまで言い切るとなぜかわからないけど、涙がこぼれた。