寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「今夜は優しくできそうにない」
それから二日が経ち、金曜の夜。
ふたりはいつものように仕事終わりにカフェで待ち合わせ、ミツハシデンキへ寄った。
荷物を取りに行くときに不便なため、やはり必要だと蛍光灯を購入したのである。
さらに雪乃の家へ寄り、蛍光灯を取り付けてから晴久の自宅へと向かう。
食事、シャワーを終え、いつものようにふたりでベッドに入る。
ランプに切り替え、「おやすみなさい」と挨拶を交わした後。
一度は平行に寝る姿勢をとるのだが、すぐに我慢できなくなった晴久が体を寄せて彼女の頬を指で撫でる。
「ごめん雪乃。控えようとは思ってるんだけど……」
腕をついて体を起こした晴久は彼女の唇に触れ、口をつけた。
「晴久さん……」
謝りつつも角度を変えながらキスを堪能し、欲求を満たしてから唇を離す。
「まずいよな、こんな何回も」
晴久は自嘲気味に言ったが、視線は彼女に許可を求めるものだった。
彼女を初めて抱いた日、晴久は結局我を忘れるくらいに夢中になった。
もちろん手酷いことはせずに終始優しくしたものの、雪乃の余裕のない表情に煽られ続け、欲望をぶつけたのは事実。
あれから一日も置かずに、彼女を抱いている。
せめて初日の次は置こうと思っていたのに。
一度彼女を抱く幸福感を味わってはとてもキスだけでは収まらず、応えてくれる雪乃に甘えてずるずると続けていた。