寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「どんな出会いでも好きになってた」
朝。先に目を覚ました雪乃は、同じベッドで眠る晴久を見て顔を熱くした。
(昨日いつもよりすごかったから……お腹、ちょっとズキッてする……)
まだ身体に残る、昨晩の愛されっぷりがよみがえり、思わず桃色のため息が漏れる。
整った晴久の寝顔を近づいて見つめてみる。
長い睫毛、滑らかな鼻筋、形の良い唇。順々に見ていった後で、この唇に昨夜はこれでもかと貪られたのだと思い出すと、また体の奥が疼いてきた。
(晴久さん……)
吸い込まれるように、唇を近づける。
すると、ベッドに放っていたはずの彼の大きな手が動き、雪乃の後頭部を捕らえてグッと唇に押し付けた。
「んっ……!?」
突然のキスに襲われた雪乃は反射で抵抗するが、それをさせまいとする力強い晴久の手。
「ん……んん……」
やがて彼女も従順になっていき、彼の唇に素直に口を開いた。
朝から濃厚なキスを交わし、しばらくして、ふたりの唇はやっと離れていく。
「おはよう、雪乃」
「……おはようございます」