中庸的な日常。
青くんはお目当ての本を手に取り、桃さんの元へ行こうとしたその時、、


「青くん、、ですか?」

どこからか青くんを呼ぶ声がした。
それは青くんの同僚で、つい最近、奈良から転勤してきた人『寿くん』である。

「こんな所で何してはるんですか?」

「寿くんが教えてくれた、有田吉希って人の本を買いに来てるんだけど。」

まさか先ほど桃さんと話してた人と、偶然会うとは思いもよらなかった青くんの心拍数は1.2倍増である。

青くん、ひょっとして恋の始まりか?(そんなわけはない)

「良いですよその本。良かったら彼女にも買ったげてくださいよ。って俺は作者の身内とちゃいますけどねー。」

いつも通り飄々とした態度だ。

「彼女ならそこに、、、」青くんが、桃さんがいる漫画コーナーに目をやると、、

「どしたの?」

「うわぁ!」「おわぁ!!」

「そんなに驚かなくても良くない?」少し不愉快な顔で眉間にシワを寄せる桃さん。

「いや、あっちにいると思ってたのに、急に後ろにいるからさぁ。」手汗を拭う青くん。

「あ、ども。こんちわ、青くんの同僚で寿っていいます。いつも青くんには仲良くしてもらってます。」

「あ~!関西弁だぁ♪」思わず心の声を発してしまう桃さんである。

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