中庸的な日常。
「そんなに珍しいですかね?」

今でこそよく聞く関西弁ではあるが、意外と身近で聞くと、結構「おぉ!」と思うのである。

関西弁は、聞き慣れない人に、それほどのインパクトを残すのだ。

例えば、関西弁を容器に10リットル入れたとしよう(この喩えも変ではあるが)、

そこに標準語を10cc入れても何も変わらないが、
標準語10リットル入れた容器に、関西弁を10cc入れたらそれは関西弁に染まってしまう。
それほどインパクトが強いのだ。

中でも「大阪弁」は、使用する者によっては破壊力すら伴う。

それが『大阪のおばちゃん』と称される生物であるとNASAでは認識されている(本当か?)

「関西弁ってテレビでしか聞いた事無いから感動!」少々大袈裟な桃さん。

「僕は毎日聞いてるから、感動なんて遠い昔だよ。」少し呆れ顔の青くん。

「青くん、ちょっとそれヒドくない?俺、メッチャ喋ってる人みたいやん。」

「え?違うの?」寿くんを横目に、意地悪そうに笑う青くん。

「そうなんだ。でもなんか分かる気がする。」

「彼女さん…って桃さんで良いっか?桃さんもヒドいって。俺こんなに無口やのに。帰ったら辞書で"無口"って引いてみ?『寿さんを指す』って書いてあるから。」

「あははは、そんなわけないよぅ」大笑いする桃さん。

「いやホンマに。この場所から半径5km以内の沈黙という概念を集めて、それを形にしたのが俺やから。覚えといて?帰ったら絵日記に書いといてな?」
本当に饒舌な寿くんである。

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