中庸的な日常。
「ね?彼ホントによく喋るでしょ?会社でみんな言ってるもん。」

「何て?」笑いすぎて涙を拭う桃さん。

「寿を黙らせたら死ぬ。って。」

「なんでやねん。」

「違った。寿を、、なんだっけ?」

「知らんがな。俺何かと忙しい人やから帰るわ。じゃね桃さん♪」

「あはは。」

「あ、そうや。良い事教えとくわ。青くんはその本買ったらええけど、桃さんにはその本、作者のサイン付きでプレゼントするわ。」サラリと言う寿くん。

「え?なんで?よく…わかんないんだけど??」狐に摘まれたような顔をする桃さん。

「その本書いたの俺やねん。」

「え?」キョトンとする青くんと桃さん。

「これは嘘ちゃうで。有田吉希ってペンネームやねん。」

「さっき身内じゃないって言って…た。」

「作家の身内ちゃうって言うたやん?本人やもん。」ニヤリと笑う寿くん。

「しゃーないわ。明日2冊青くんに渡すから。会社のみんなには内緒な?んじゃまた。」

呆然とするふたりを残して、今度は本当に帰ったようだ。


「さすがミステリー作家!!」


ふたりは同時に叫んだ。

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