中庸的な日常。
エスカレーターとは、人や荷物などを自動的に階上・階下に運ぶ階段状の装置。と、定義されている。

「自動」とあるように、機械が自身の力で動いているのだ。

それが動かなければ、ただの階段であり、エスカレーターとしての意味も価値も成さない。

青くんと桃さんが憤慨した出来事というのは次の事である。

「さっきのおじさんさぁ、エスカレーター降りた所で急に立ち止まったでしょ!?すっごく危ないと思うんだけど?」

「そうだね。すぐ後ろにいた人、軽くぶつかってたもんね。」

「でしょ?でしょ?」

「あのままだと、どんどん後ろが詰まってきて、僕らも降りれない所だったかも。」

「しかもさぁ、自分が急に止まったからぶつかったのに、逆にぶつかられて怒ってたでしょ?」

「うん。その勢いに負けて、ぶつかった人が謝ってたよね。」

「なんで謝るかなぁ?あなたが止まるからですよ?って言ってあげれば良いのに。」

「これ回転寿司だったらさぁ、確実に回る皿を手で止めてる人が怒られるよね。」

「ホントだよぅ。私の所にサーモンが回ってこないじゃん。」

桃さんはサーモンが大好物だ。
以前、一緒に回転寿司に行った時も「サーモンに始まりサーモンに終わる」そんな無類無きサーモン好きっぷりを発揮している。

もしや前世は熊か?と疑問に思い、想像で桃さんの頭に熊の耳をつけてみたら可愛いので止めてみた。


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