先輩、恋愛はちょっと待ってください!!4
ニコリと微笑まれ、私の胸がキュッと高鳴る。どうしよう、顔が真っ赤になっていく。

幸野さんに薄いピンクのチェック柄のワンピースを買ってもらい、家へと帰る。明日からまた仕事だ。今度は幸野さんからどんな風にアプローチされるんだろう。

何度目かわからない胸の高鳴りに、私は顔を両手で覆った。



次の日、仕事に行くと私は師長さんに声をかけられた。師長さんとは、看護師長の略で病棟で一番偉い人。でも、とっても優しい人なんだ。

「花見さん、今日の午後は研修に行ってくれないかな」

「研修ですか?一体何の研修なんですか?」

師長さん曰く、研修内容は食中毒や熱中症など夏に起こりやすい病気についてだそう。確かにもうすぐ五月も終わって夏がすぐやって来る。

「研修は二時間程度で終わると思うわ。それが終わったらもう帰ってもらって大丈夫よ」

「わかりました!勉強してきます!」

看護補助員は医療行為ができない。だから、お医者さんや看護師さんに比べたら知識も少ない。だからこそ、研修でしっかり勉強しないとね。
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