先輩、恋愛はちょっと待ってください！！４

午前中の仕事を頑張り、早めのお昼休憩にいかせてもらう。すると、休憩室に幸野さんがいた。

「幸野さん、お疲れ様です！」

「すぐりちゃん！お疲れ様〜」

幸野さんが私を名前で呼ぶ時は、アプローチをする時だ。幸野さんに触れられているわけじゃないのにドキドキしちゃう。

「この時間にここにいるってことは、すぐりちゃんも研修に参加するの？」

「はい、その予定です」

私がそう答えると、幸野さんは「やった！」と嬉しそうに笑う。そして、気が付けば私は幸野さんに抱き寄せられていた。腰に腕を回され、強く抱き締められる。

「ゆ、幸野さ……」

ドキドキと鼓動が聞こえてくる。恥ずかしい。でも、逃げられない。

「研修の時、俺の隣に座ってね。約束だよ？」

幸野さんに耳元で囁かれ、私は「はい……」と真っ赤な顔をしたまま答えた。

やっと離してもらえてお昼を食べられると思ったら、休憩中はずっと幸野さんから聞いていて恥ずかしくなってしまうような甘い言葉ばかり言われてドキドキしっぱなしだった。休憩したはずなのに、なぜか疲れている。