先輩、恋愛はちょっと待ってください！！４

オリエンテーションが行われた多目的ホールに向かうと、席にはすでに何人かの人が座っていた。研修医の先生や看護師さん、技師の人の姿もある。

「ここに座ろっか」

私がボウッとしていると、さりげなく肩を幸野さんに抱かれた。休憩室でのことを思い出し、私は「気持ちを切り替えてください！恥ずかしいです！」と真っ赤になりながら言う。

「わかったよ、花見さん」

そう言ったものの、幸野さんが「可愛い」と何度も呟いているのは聞こえてる。どうしてこんな私を好きになったんだろ。幸野さん、とてもイケメンで私は釣り合うはずないのに……。

「あれ？六階にいた幸野先輩ですよね〜？会えるなんて嬉しいです〜！！」

私は誰かに突き飛ばされ、机に思い切りぶつかってしまった。幸野さんが「花見さん！」と声をかけてくれるけど、思い切り足を打ってしまったみたいで痛い。

幸野さんの腕に誰かが抱き付いている。それは、幸野さんにベタベタしていた新人の看護師さんだった。