白球と最後の夏~クローバーの約束~
━ プロローグ ━
ずっと、ずっと
見つめていた
白球を追うキミの姿。
キミだけを目で追う日々。
勝ってこぼしたうれし涙も、
負けてこぼした悔し涙も、
全部が全部わたしの宝物。
桜舞う春の日も、
うだるような夏の日も、
少し寂しい秋の日も、
しんしん積もる雪の日も、
わたしはずっと
キミだけを見てきた。
たとえキミに
この想いが届かなくても、
そばで見ているだけで
わたしはいいの。
“初恋は叶わない”
分かってるから。
“好き”
言ってしまえば楽になるけど、
嫌われるくらいなら
このまま幼なじみの
ままでいいの。
キミを見つめる日々が
わたしの青春
そのものだから───・・。
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