白球と最後の夏~クローバーの約束~
やきもち・:*:・゚☆
練習試合が終わって花北高校が帰ると、わたしたちは部室に移ってミーティングをした。
それも終わると、グラウンドの整備や後片付けをして、みんなバラバラに帰っていった。
『グチならあとでわたしが聞くから』って言ったけど、そんな岡田君はすっかり機嫌が直って鼻歌まじり。
初勝利が相当嬉しかったみたい。
その様子にホッとしながら、わたしも着替えて帰るつもりだった。
初勝利の余韻と、試合中の稜ちゃんのプイッにヘコみながら・・・・。
でも、着替えて校門まで行くと、自転車を押して歩いている稜ちゃんに出くわしてしまった。
試合中は気にならなかったけど、終わった今じゃ、やっぱりプイッがすごく気になる。
わたしに気づいて自転車を押す足を止める稜ちゃん。
わたしをチラッと見た稜ちゃんの目、すごく不機嫌な目・・・・。
それでもわたしに近づいてくる稜ちゃん。・・・・あぁ、どうしよう。逃げられない。
どうしたらいいか分からず立ち止まっていると、稜ちゃんが肩から下げている『青雲高校 野球部』の刺繍が入ったスポーツバッグを開けた。