白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
───月曜日


「確実にやきもちだね、それは」

「・・・・ゲホッ、ゲホッ!ココちゃんっ!」


お昼休み。

わたしとココちゃんは、2人でお弁当を食べていた。

練習試合のときのこと、そのあと稜ちゃんに言われたこと・・・・その他もろもろ、風邪で具合が悪かったときに言えなかったことを報告していたときだった。

ココちゃんの言った“やきもち”に過敏に反応してしまって・・・・。

飲んでいた大好きないちご牛乳が喉のおかしなところに。

そのおかげで喉の奥はギンギンするし、ストローはほっぺにグサッっと刺さるしで。


“やきもち”


反応しすぎでしょ、わたし!


むせ返りながら、一生懸命それを頭の隅に追いやる。

でも、ココちゃんは、自分の箸先をピョイとわたしの目の前に向けるとこうも言った。


「なんか心配だなぁ、長谷部君。彼、野球以外は疎そうだから」

「ん? 何が?」


答える代わりに、ココちゃんは開けっ放しの教室のドアに箸先を滑らせた。


「あ・・・・」

「ね? でしょ?」
 

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