白球と最後の夏~クローバーの約束~
向けられた箸の先を見ると、練習試合で黄色い声を上げていた女の子6人グループの姿。
・・・・なぜかわたしに鋭い目を向けていた。
「どうしよう、ココちゃん・・・・。わたし、目、つけられちゃったのかな?」
ビクビクしながらそのグループから目を離すわたし。
・・・・ああいう子たち、わたしが一番苦手なタイプなんだよな。
「まぁ、今日のところは偵察なんじゃない? 百合がどんな子なのか確かめに来たんじゃん?」
そう言うココちゃんは、まだ堂々とグループを見ていた。
こういう強いところ、わたしにも少しでいいからあったらいいのにな・・・・。
「偵察? だってあの中の子、わたしのこと知ってるよ?」
「そうじゃなくて、周りの子のほうだよ。グループで固まる子たちはさ、なんていうか・・・・1人で行動できないじゃん」
「ふ〜ん」
「だから、百合対6人だったら分があるとか思ってんじゃない?」
「えぇぇっ!まさか!それにわたし、勝負なんてしてないよ・・・・」
ココちゃんの言葉に、思わず仰け反って否定する。