白球と最後の夏~クローバーの約束~
「百合がそうじゃないのは、あたしが十分分かってるよ。だけど向こうは、そういう可能性だってアリってことだと思うよ?」
「そんな・・・・」
“そんな・・・・”と言いながらもう一度グループを見てみると、その姿はもうなかった。
「なんもできっこないよ、あの子たち。百合は普通にしときな?」
「うん・・・・ありがとね」
それからの午後の授業は、なんだか落ち着かなかった。
あのグループとはクラスだって違うのに、背中を刺すように見られている感覚がずっとつきまとっていた。
ココちゃんはああ言ってたけど、なんだか心配・・・・。
青雲高校は1学年で7クラスもあって、稜ちゃんとあの子たちも違うクラス。
わたしが普通にしていれば、きっとあの子たちも好きなようにすると思う。
はぁ、でもなぁ・・・・。
稜ちゃんのような女子生徒から人気のある男の子のそばにいると、こういう危険もあったんだ。
思わぬところで、こうして一部から注目されちゃう。
マネージャーって、そんなに注目される仕事だったっけ?