白球と最後の夏~クローバーの約束~

野球少年・:*:・゚☆

 
今から7年前
小学5年生の頃───・・





それまで“友だち”だと思っていたわたしは、野球をしている稜ちゃんを初めて“友だち”以外の感情で見ることになった。

忘れもしない、あれは7月25日。

わたしの11歳の誕生日だった。


稜ちゃんの家族が引っ越してきてからまもなく、長谷部家と花森家は家族ぐるみのつき合いをするようになった。

同じ“は”で始まる名字同士、お互いに親近感でもあったんじゃないかと思う。

子ども同士が仲良くなる前に親同士が意気投合しちゃっていたり。

わたしと稜ちゃんが同い年だったこともあって、親同士はさらに意気投合。

しょっちゅう2つの家族で一緒に出かけるようになっていた。


そんな仲良しのご近所さんだったから、少年野球チームに入った稜ちゃんの応援に行かないわけはなかった。

夏休みに入ったばかりの日曜日。

お母さんに手を引かれ、白いワンピースを着て、お気に入りの麦わら帽子をかぶって、わたしは野球場に向かった。

稜ちゃんの両親もわたしのお父さんも、もちろん一緒に───・・。
 

< 13 / 474 >

この作品をシェア

pagetop