白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
今日はその材料集めのために来ていて、優しくて面倒見がいいココちゃんは、わたしに付き添ってくれてるんだ。

・・・・本当は、自分がそばにいないとわたしが変なものまで買いそうだから、って思っているのかもしれないけどね。


次に向かったのは紐のコーナー。

太いものから細いもの、色もさまざまで、どれにしようかと本当に目移りしちゃう。


「ねぇ百合、この色が合うんじゃない? 桜色だってよ?」

「んー? あっ!合う合う!太さもちょうどいいしね!」


その紐をスカイブルーのフェルトと重ねてみると、色のバランスがすごくよかった。


「あ〜、でもここは無難に白がいいのかな。部員たちって、腕に通して応援するんだよね?」


“ん〜”って首をかしげながらココちゃんが言う。


「そっかぁ・・・・悩むなぁ」

「う〜ん・・・・」


白と桜色の紐を持って、2人で悩み続けること約5分。


「「やっぱり桜色!」」


声がぴったり合ったわたしたち。

“ふふっ”って笑いながら、桜色の紐も大量にカゴに入れた。
 

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