白球と最後の夏~クローバーの約束~
お出かけ・:*:・゚☆
次の日の朝───・・
ジリリリリッ
ジリリリリッ・・・・
カチッ!
四つ葉のクローバーの形をした目覚まし時計がわたしを起こす。
「よしっ!探すぞ〜!」
目覚めの良さにはだいぶ自信があるんだよね、わたし。
風邪のときはさすがにダメだったけど、たった2回のアラームで清々しく起床。
目覚まし時計が指す時刻は、まだ5時30分。いつもだいたい、わたしはこの時間に起きる。
稜ちゃんが早朝の自主練で走るのを見るのが好きで、気の弱いストーカーみたいにこっそり応援するんだ。
だけど、今のわたしにはそれ以外にもやらなきゃならないことがある。
四つ葉のクローバー、探すんだ。
朝の眩しい光が、ゆらゆらとカーテンの隙間から差し込んでいる。
わたしは、窓も開けて、清々しい朝の空気を肺に入れるように大きく伸びをした。
向かいの稜ちゃんの部屋は、もうカーテンが開けられていた。
起きて自主練の準備でもしているのかな? それとも、ランニングに出かけたのかな?
そんな妄想が膨らんでいく。