白球と最後の夏~クローバーの約束~
家から歩いて10分くらい、そう遠くないところの野球場。
草野球とか少年野球とかソフトボールとか・・・・そういうのができる広さくらいの場所があった。
そこで、午前10時プレーボールの練習試合。
対戦チームは【北星スターズ】
稜ちゃんたちのチームは
【四つ葉ホワイト・ウィングズ】
真夏の太陽に溶かされてしまうくらい、本当にジリジリ暑い日だった。
わたしたちが球場に着くと、そこにはもうたくさんの観客たち。
両チームのお父さん・お母さん、兄弟たちが、今か今かとプレーボールの合図を待っていた。
わたしたちは、そんなに近くで見られそうになかったから、少し後ろのほうで見ることになった。
その頃のわたしは野球のルールもよく知らなくて、だから、そんなに興味があったってわけでもなかったんだ。
せっかくの誕生日なのにな・・・・。
なんて。
稜ちゃんの試合だからって早起きさせられたわたしは、ちょっとすねていた。
だからお母さんは、わたしの機嫌を取るためにあれこれとおめかしさせてくれたんだ。