白球と最後の夏~クローバーの約束~
さっそくわたしは奥の草むらで今日も四つ葉のクローバーを探す。
今手元にあるのは13枚。あと40枚も探さなきゃ・・・・!
クローバーの密集地に足を踏み入れて15分くらいかな。
「やった!1枚ゲット〜!」
青々とした、立派な四つ葉のクローバーを見つけることができた。
「写メ撮ろうっと!」
わたしは見つけたクローバーを携帯に保存しておくことにした。
パーカーのポケットから携帯を出して、2つ折りのそれを開く。
すると──・・
液晶画面にメールのマークが。
昨日の夜、充電するときにはなかったはずなのに。
“ココちゃんからかな?”なんて思いながらメールを開く。
えっ!? 稜ちゃん・・・・?
部活の連絡のこともあって、お互いに番号もアドレスも知っているけど・・・・。
でも、今までの2年間、一度だってやり取りしたことのない稜ちゃんが!
稜ちゃんから初メールが・・・・!
稜ちゃんの名前を見ただけで、怪しい人みたいに辺りをキョロキョロ見回しちゃったよ、わたし。