白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
ドクッドクッと、早鐘を打つように心臓が鼓動を刻む。

ゴクッと唾を飲み込んで、震える指先で本文を確かめる。

午前0時を少し回った頃に届いた稜ちゃんからのメール。


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2009/5/6 0:07
FROM:稜ちゃん

明日、買い物つきあって

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たったそれだけのメール。
たったそれだけで、急に目の前がキラキラしだした。


脳天を突き抜けるような、甘い甘い感動の衝撃。

まるで、頭の上で天使がパッパラー♪ってラッパを吹いているみたいだった。


“つきあって”


そこの部分だけを何度も読み返して、なんだか妙に意識しちゃう変態チックなわたし。

顔がにやけるのだって、もう隠せそうにないよ・・・・!!

あの練習試合のときの女の子たちみたいに「キャーッ!」って叫んで、そこら中を駆け回りたいくらい。


・・・・はっ。でも。

もしわたしが稜ちゃんと一緒にいるところを見られちゃったら、学校で何を言われるか。

何て返信したらいいのかな・・・・。
 

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