白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
1人じゃ決められないと思ったわたしは、助け船を求めるように無意識にココちゃんの番号を画面に出していた。

発信ボタンを押し・・・・かける。

朝に弱いココちゃんが7時前に起きるわけないよね。

無理に起こしたら、親友のわたしにさえも悪態をつく寝起きの悪さだから。



去年の修学旅行のとき、朝ご飯に間に合わないと思って強引に起こしたら、思いっきり泣かされちゃったんだもん・・・・。

すぐに我に返ってひたすら謝ってくれたけど、あのときの恐怖は今でも忘れられないな。

そこら辺のホラー映画よりずっとずっと怖かったんだから、あの寝起き・・・・。



思い出していたらブルッと悪寒が走って、慌てて画面を待ち受けに戻した。

それからはもうクローバーを探すどころじゃなくなって、さっさと切り上げて家に帰った。


いつ以来だったかな?
たぶん、小学校のとき以来。

それくらい久しぶりの、稜ちゃんとのお出かけ。


ウキウキしないわけない。

ワクワクしないわけない。

今だったら、ドキドキやキュンキュンだってする。
 

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