白球と最後の夏～クローバーの約束～

　
稜ちゃんがレジに持っていったのは、ピンクの小さな花が上品にプリントされたティーカップ。

昨日ココちゃんと一緒に来たときには気にも止めなかったけど、来週は母の日。

お花屋さんはもちろんのこと、どこのお店でも『母の日フェア』の大きなＰＯＰ広告が店の前を飾り立てていた。

稜ちゃんはその中の１つのお店に入って、紅茶が好きなお母さんのためにティーカップを選んでいたんだ。

選ぶとき、わたしの意見も聞きたかったのかな？


レジでお会計をする稜ちゃんの後ろ姿をそっと見てみる。

店員さんとラッピングについて何か話してるみたい。

あっ、かわいい〜、照れてる〜！


きっと「お母さまにですか？」って聞かれて。

「はい、まぁ････そうです」って答えて。

そしたら店員さんが「ご立派な息子さんですね！」なんて言うものだから、稜ちゃん、照れたんじゃないかな。


毎年母の日には必ずプレゼントをあげている稜ちゃん。

そんな稜ちゃんが好き。

好き。

好き。

大好き。

いいなぁ、稜ちゃんのお母さん。羨ましい。