白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「あ・・・・わたしは特に」


バカバカ!わたしのバカ!

“わたしもプレゼント選びたかったの。一緒に選んでもらえる?”

そう言えばいいのにっ!
そう言えればいいのにっ!


「じゃあ、なんか飲むか?」

「・・・・うんっ!」


やったぁ!
稜ちゃんとお茶できる!

ここでもひょっこり顔を出す、現金なやつのわたしの一面。

心でそっと、その頭をペチンッ!と叩いておいた。



浮いたり沈んだり、切なかったりキュンキュンしたり・・・・。

稜ちゃんを好きになってから、わたしの気持ちはいつも稜ちゃんを中心にぐるぐる回っている。

いつだって、どこでだって、何をしていたって、心の中には常に稜ちゃんがいる。


幼なじみの関係が壊れるくらいなら、伝えられなくてもいいと思っていた。


“好き”


その気持ち。


だけど───・・。


「あったあった、いちご牛乳!好きだったよな、これ」


何気なく休憩コーナーを通りかかったとき、稜ちゃんがニコニコしながら自販機を指差したんだ。
 

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