白球と最後の夏~クローバーの約束~

これから・:*:・゚☆

 
「それってデートじゃんっ!」


ココちゃんが小さな声で、でも興奮気味に言った。

わたしを見る目をとびっきりキラキラさせて・・・・。


ゴールデンウィークが終わって、また普通に戻った学校。

お昼休み、いつも通り2人でご飯を食べているとき、モールでの稜ちゃんとのことを話し終わったあとの、ココちゃんの感想だった。


「デート・・・・なのかな・・・・」


わたしは、今日も購買で買ってきた“いちご牛乳”の紙パックを手に取りながらボソッと言う。

この甘さが大好きで。でも少し、胸の奥で苦くなる・・・・。


「うんっ!初メールでしょ? いちご牛乳好きなのを覚えてくれてたでしょ? あっ!あと、家まで迎えに来てくれた!前の話も総合すると、もうデートしかないっしょ!」


ココちゃんは指折り数えながら早口でまくし立てる。


「でも・・・・ただ“母の日”のプレゼントを選ぶのにつき合っただけだよ。買い物終わったらすぐに帰ったし」


あれがデートだったと思いたいけど、もう一方でそう思いたくない自分──ずるい自分がいる。
 

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