白球と最後の夏~クローバーの約束~
もう絶対に消せない想いをあれほど強く感じたのに。
消えない想いをこれでもかっていうくらいに突き付けられたのに。
それでも、わたしが勝手に勘違いして、浮かれていて。
それで、あとから違うってことが分かったら、もう立ち直れないくらいショックが大きそうで・・・・。
ココちゃんみたいに素直に喜ぶなんて、わたしにはとてもじゃないけど無理だった。
そんなずるい自分に、とことん嫌気がさしてくる。
情けなくて、情けなくて、すごく情けなくて・・・・悔し涙が落ちてきそう。
そんなわたしの雰囲気に気づいたのか、ココちゃんはフゥ・・・・と長いため息をもらした。
「あのね百合、そういうのを世間一般では“デート”って言うの」
「・・・・」
「なに情けない顔してんのよ。脈は百合に振れてんだからっ!」
そう言って励ましてくれた。
それから、自分のお弁当用のミニハンバーグをわたしにくれた。
「そう・・・・なのかな?」
「うん!もち!」
「うん・・・・」
なんだか少し、元気が出てきた。