白球と最後の夏~クローバーの約束~
「よし、やるか!」
まずはゴミ捨て。
それから机や椅子の整理整頓。
窓ふきやロッカー掃除も。
あ、床もモップで磨かなきゃ!
「ふぅ〜・・・・。はぁ、きれいになったぁ!」
おでこに光る汗を手の甲でぬぐって、ピカピカになった部室をぐるっと見渡してみる。
そして、腰に手を当てて、下ばかり向いて働いていた体をグイッと伸ばす。
「うん!こうでなくっちゃ!」
わたしって掃除の天才!なんて調子に乗っちゃうほど、本当にきれいに片付いた。
これでみんなも気持ちいいよね!
稜ちゃんもきっとそうだよね!
清々しい気分になると気が大きくなるのは、わたしの昔からの癖。
“稜ちゃんもきっとそう!”だとか、勝手に断言したりして。
「ふふっ・・・・ははっ・・・・!」
なんだかおかしくなって、1人で笑っちゃった。
もし・・・・もしもの話。
いつか稜ちゃんの部屋を掃除できる日が来たら。洗濯したり、料理をする日が来たら・・・・。
もう、最高っ。