白球と最後の夏~クローバーの約束~
━ 雨・6月 ━
深い緑はいっそう深く、
雨に濡れて
夏を待っている。
少し濃くなった空の青は、
ぶ厚い雲にひと休み。
暑い熱い夏の前に、
ほんの少しだけ
休憩している。
キミを見つめるわたしを
同じように
見つめていた人が
いたなんて・・・・。
雨はわたしの涙を誘う。
雨はわたしを切なくさせる。
弱いまんまのわたしには
キミを想う資格が
あるのかな・・・・?
知りたくなかった嫌な自分と
泣きながら、
悩みながら、
本気で向き合った6月。
ひとしきり泣いたあとには、
夏が待てない
せっかちな虹が
大きなアーチを作っていた。
それを一緒に見たいと
思う人は、
やっぱりキミなんだ───・・。