白球と最後の夏~クローバーの約束~
「そうだ!岡田のやつ、近ごろ毎日部活に来てるんだって? サボり魔のあいつにしてはよく続いてるよね」
1つ鶴を完成させたココちゃんが思い出したように岡田君の名前を口にした。
「うん、最近は全然サボってないよ? ・・・・それがどうかした?」
「ううん。・・・・ちょっと見直しただけ」
「そう?」
「うん。それだけ」
ん? ココちゃん、もしかして岡田君にラブの季節かな?
稜ちゃんと並んで、最近はよく岡田君の名前もココちゃんの口から出るんだ。
同じ中学からの仲だから、ってだけなのかな。それとも本当にラブの季節だったり・・・・?
「ねぇココちゃん、練習試合さ、ココちゃんも応援に来てよ!」
ココちゃんがどんな反応をするか見てみたくて、思い切って聞いてみた。
「ダメダメ、部活があるもん。あたし、吹奏楽部の部長なんだよ? あたしが休んでどーすんのさ」
「そうだけど・・・・」
「すぐそこのグラウンドでやるんでしょ? だったら、音楽室の窓から見えるから大丈夫!あたしはそこから応援するから」