白球と最後の夏~クローバーの約束~
ココちゃん、今の“ダメ”っていう反応、なんか照れてるっぽい?
「そっかぁ、残念だなぁ。夏の大会、ココちゃんたちはまともに試合見られないから、今のうちにって思ったんだけど・・・・」
その反応がすごく新鮮で、ついついからかいたくなったわたし。
野球の応援は遠回しな理由。ココちゃんには、今のうちにたっぷり岡田君を・・・・。
なんていう意地悪心がヌクヌク芽を出しちゃった。
「いいよ!そんなの!」
ふふっ。ココちゃんの声、なんか上ずってるし。かわいいなぁ。
「ほ〜い!」
「こらっ、百合!あんまり調子に乗るんじゃないのっ!」
「あ〜、やめて〜!わたしの髪が変になる〜!」
「へっへっへ〜!もっと変にしてやる〜!」
照れて怒ったココちゃんは、わたしの髪をぐしゃぐしゃにした。
結局、自習時間を丸々使って作れたものは、お守り5個と鶴10羽。
手より先に口が動いちゃうお年頃のわたしたち。
話題がいっぱいあるのに、手だけ動かすのはやっぱり無理だったみたい。
それに・・・・。