白球と最後の夏~クローバーの約束~
「おぅ。それで、出来たやつ、稜がほしいってよ。部室に置いときたいんだとさ。ガキかっつーの!なぁ?」
そのニャッっていう顔、もういい加減やめてくんないかな。
どうせまた、わたしをからかって遊んでるんでしょ?
普通に言えばいいのに、なんでわざわざニャッって笑うの?
「・・・・そう」
それがなんだか妙に嫌で、わたしは素っ気なく返事をした。
「あれっ? なんか元気ねぇな。稜でも呼んでくるか? な〜んちゃって」
そんなことを言って、岡田君はふざけながらツカツカとわたしの前まで歩いてくる。
「いいよ・・・・」
どうしたんだろう、わたし・・・・。
なんかすごく、イライラしてる。
「なに? どしたの?」
前の席のココちゃんの椅子に後ろ向き座って、背もたれに肩肘をついて、詮索するように岡田君は聞いてくる。
調子のいい口調が、逆にわたしをイライラさせる。
「お節介ならやめてよ。もっとほかにやることあると思うよ?」
わたしは、目を合わせないように下を向いて言った。